みなさんはボジョレーヌーボーというお酒を飲んだことはありますか?飲んだことはなくとも、TVでそのワードを耳にしたことはあるかと思います。
ボジョレーヌーボーとはフランスのブルゴーニュ地方南端に位置するボジョレー地区で醸造された新酒です。夏の終わりに収穫した黒ぶどうを発酵させずに短期間で仕上げることからフレッシュな味わいを特徴とします。
ボジョレーにはたくさんの種類がありますよね。ラベルや値段にもばらつきがあるので「一体何が違うんだ?」と疑問に思った方も多いはず。同じボジョレーなのになぜ価格に差が出るのでしょうか?今回はボジョレーの種類や値段にかかわる要素についてお教えします。
日本での解禁日が気になる方はこちらをご覧ください。
ボジョレーヌーボーの解禁日!日本はいつになる?
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ボジョレーには4つの種類がある
フランスのワインの分類法の1つに「AOC」という基準があります。「原産地呼称統制ワイン」に分類されるボジョレーはこの分類で以下の4種類に分けられます。
畑名のクリュ・ボジョレー
クリュ・ボジョレーは最高品質のワインを作っている10ヵ所に付けられる名称で、ワインのラベルにも村名を記すことが許可されています。スパイシーでしっかりとした味の上質なワインです。
村名のボジョレー・ヴィラージュ
AOCボジョレーを構成する96村のうち指定された38の村から産出された新酒のみに付けられる名称です。香り高いのが特徴。
地区名としてのボジョレー・シュベリュール
通常のボジョレーより若干アルコール度数が高く、なめらかな味わいが特徴です。生産量が少ないため、市場にはほとんど出回っていません。
地方名のボジョレー
コンビニやスーパーで手に入る一般的なボジョレーヌーボーはこちらになります。
地方>地区>村>畑、産地が狭くなるほどアルコール度数やブドウの収穫量などワインへの規定が厳しくなります。上質なワインだけが残り希少性が高まるので価格も高く設定されるのです。上記の4つを高価な順に並べると、クリュ>ヴィラージュ>シュペリュール>ボジョレーとなります。
クリュ・ボジョレーの10種
- モルゴン
- ムーラン・ナ・ヴァン
- フルーリー
- サンタムール
- ジュリエナ
- シェナ
- シルーブル
- レニエ
- ブルイイ
- コート・ド・ブルイイ
クリュ・ボジョレーはヌーボー(新酒)を醸造することを禁じているため、厳密にはボジョレーヌーボーとしては扱いません。これらを一般的なボジョレーワインと区別するため、商品ラベルには「ボジョレー」と表記しないことになっています。
値段の違いを決める要素
前述のAOC以外にもお酒の値段に影響する要素があります。
輸送費
ワインを輸出する際、航空便か船便かを選択することになります。航空機を利用した場合スピーディに目的地に届けることができますが、輸送費が高くつきます。同じ商品でも船便で送るとコストを抑えられるので、ワインの販売価格も比較的安くなります。
税金
ワインの輸出には15%の関税がかかります。また、1ℓあたり80円の酒税がかかります。
中間マージン
取次業者や販売業者がどれだけ間に入るかによっても値段が変わってきます。
収穫量
ブドウの収穫量が多い年は比較的安価で買えますが、収穫量が芳しくない年は値段が高騰する傾向があります。
生産者の実力
腕利きの生産者は選果が厳しく、生産したブドウの量に比べて出荷量が少なくなります。高い品質水準の商品のみを輸出するため、ワインに高い値段が付きます。
ドメーヌかネゴシアンか
ドメーヌとはブドウの生産からワインへの瓶詰め、出荷まですべてを行う生産者のことです。比較的規模の小さい形態なので造り手の目が隅々まで行き届き、高品質なワインを産み出せます。
ネゴシアンは他の生産者が作ったブドウやワインをブレンドし、熟成させて独自のワインを作る生産者を指します。専ら大規模で組織的に生産しており、多くのワインを生産できるという利点はありますが、品質面ではドメーヌにやや劣ります。
希少価値が高く上質な分、ドメーヌの方が価格が高価です。
ボジョレーの選び方
3000人を超える生産者がいるボジョレーはその数だけ銘柄があります。その中から良質な商品に出会うためには“ランク”によって選ぶことが一番の近道です。
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ヴィラージュクラスを選ぼう
ボジョレーの中で最高品質を誇るクリュ・ボジュレーですが、ヌーボー(新酒)を作ることを許されていないため、実質的なボジョレーヌーボーの最高位はボジョレー・ヴィラージュということになります。品質の高い商品を求めるならヴィラージュクラスのボジョレーを選びましょう。
ボジョレー・ヴィラージュの見分け方
4種のボジョレーのうちボジョレーヌーボーを作れるのは、通常のボジョレーとハイランクのボジョレー・ヴィラージュだけです。
日本に輸入されるフランスワインの多くはラベルに原産地が表記されるAOCのシステムを採用しています。商品ラベルに以下のような表示があるので、原産地を確認してみましょう。
APPELATION ○○(原産地名) CONTOROLEE
ボジョレー・ヴィラージュか通常のボジョレーかは原産地を見れば簡単に判断できます。
ボジョレーヌーボーに挑戦
ボジョレーの種類や値段にかかわる要素についてお話してきました。AOCによる分類の他、税金や輸送費、中間マージンなどによっても価格に差が出るんですね。
最近ペットボトルに入ったボジョレーを見かける機会が増えました。入れ物が軽い分安く購入することができますが、せっかくの風味が飛んでしまうため、あまりお勧めできません。
今年も秋に入り、ボジョレー解禁が少しずつ近づいてきました。いい機会なので、ワインが苦手な方は渋みの少ないボジョレーヌーボーに挑戦してみましょう!
日本での解禁日が気になる方はこちらをご覧ください。
ボジョレーヌーボーの解禁日!日本はいつになる?
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